昨夜、何度目かわからない「天空の城ラピュタ」の放送がありました。ジブリ作品の中で1番好きな作品で、DVDを持っていたのですが、5年くらい前に子供に割られて買い直していません。。。
さて、ラピュタの「バルス」という滅びの言葉の短さは多くの人が考察をしてきたテーマなので、今更感がありますが、自分はボヤっと思ったことをつらつら書いておこうかと思います。
公式がwww https://t.co/WM41RAF55C
— 鱸 (@suzukieds) 2019年8月30日
まず、バルスの成立要件として考えらるのは、
- 玉座の間であること
- 正当なる王が宣言すること
- 飛行石を手に持っていること
この3つがあげられます。これが同時に揃わない限り発動しないと考えられます。なので、単純に「バルス」と口に出すだけでは動作しないはずです。
その根拠は何かというと、まず、シータが色々なまじないの言葉を教えてもらっている回想シーンでは、明確に口に出しています。
リテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール
(我を助けよ、光よよみがえれ)
でも、この時点ではロボットの兵隊は起動していなし、ラピュタへの道の示されていません。つまり、手に持っていないと発動要件をみたしていないと思われます。
飛行石には、接触型センサー(血統情報を読み取る)と音声認識機能が搭載されていると仮定できます。もちろん、加速度センサーとGPS機能もあると推察されます(一定速度で落下すると重力を緩和する光を発生させるため)。
シータが要塞で「リテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」と飛行石を手につぶいやいた時に、ロボットは再起動し、飛行石もアクティブ状態に移行します。ここから考えられることは、飛行石、ラピュタ、ロボットの兵隊はネットワークで接続されており、且つそれは常時接続であっということです。
ラピュタの世界では既に高速のネットワーク網が構築されていて、飛行石(パーソナル端末)から音声情報がネットワークを介して処理端末に送られ、DBにより血統情報、声紋、呪文の種類が照会され、一番近くにあった移動可能端末(ロボット)に起動命令と主人の守護命令と位置情報が送られた形であったということなのでしょう。
現在もアレクサで洗剤をamazonで購入し、翌日配送される社会までは来ていますが、ラピュタの科学力にはまだ及んでいません。
話をバルスに戻します。
ムスカにも真の名がありました。
ウルは王です。ムスカもラピュタの王族ではありますが、トエルという「真」という単語がなく代わりに「パロ」があります。分家なのでしょう。パロディのパロかもしれません。
シータの家は「真の王家」なので、さまざまなおまじないの言葉と飛行石が受け継がれ、分家であるムスカの家にはラピュタの操作方法が受け継がれたという見方ができます。文献なのか、操作マニュアルなのか。なので、ムスカは操作盤が読め、飛行石を使ってラピュタの操作が可能になったと考えられます。
おそらくでは、「真の王家」はラピュタの操作などの実務は行っておらず、分家が雑事を担当していたのではないかとも考えられます。そのから考えられることは飛行石は一つではなかったでしょう。ラピュタを降りた時、王家が身につけていたadmin権限の飛行石だけ持っていったのではないでしょうか?
そして「真の王家」は便利なおまじないの言葉を使用するだけでなく、それと対になる滅びの言葉も作っていた。
考え方とすれば、等価交換でしょうか。便利なおまじないに力を与えるためには、それと対となる滅びの言葉も必要で、且つ
それはできるだけ簡単な言葉である必要があった。
要するに、便利な力とバランスをとるために簡単に滅んでしまうマイナスの力が必要であった、と。
現代の感覚では、「このままいけば、留守になるよ」(テキトーです!)みたいな会話でも「このままいけバ、ルスになるよ」という単語を発生る可能性はあります。(ちなみに、アレクサは「あれ?くさい?誰かオナラした?」でも、反応します。)
劇中でもシータは言っています、
いいまじないに力を与えるには、悪い言葉も知らなければいけないって、
でも決して使うなって...。教わったとき、怖くて眠れなかった...。
つまり、力には制約があり、その制約とか簡単にラピュタを崩壊させる言葉だったのではないか、と。
あの石は外に出しちゃいけないものだったのよ。...だからいつも暖炉の穴に隠してあって、 結婚式にしかつけなかったんだわ。おかあさんも、おばあさんも、おばあさんのおばあさんもみんなそうしてきたんだもの。
「真の王家」はその力の大きさを理解していて誤作動させないために、滅多に飛行石を身に着けることがなかったと考えらます。
それはラピュタの一族が地上におりて700年間一度も”いいまじない”を使っていないだろうことからも推察されます。
ムスカの敗因は、分家には知らされていなかったまじないの言葉は等価交換であり、ラピュタは簡単に崩壊するという可能性を予見できなかったことになります。
すでに結論は書いてありますが、「バルス」という滅びの言葉は簡単でなければならなかった必然があったと考えるのが自然です。もちろん、1字や2字の方が簡単ですが、それでは会話ができないので、3字となったのではないでしょうか?
ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの...『土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。』...どんなに恐ろしい武器を持っても、...たくさんのかわいそうなロボットを操っても...土から離れては生きられないのよ
「バスル」という言葉について考えてきましたが、便利な力の反対の簡単に滅んでしまう可能性のストレスにラピュタ人は疲れてしまったのではないでしょうか。ゴンドアの谷の歌はそんな感じがします。