鱸@エンタメブログ

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雑感「マーケティングを学ぼうという姿勢が日本になかったことが、現在の日本企業の苦境を作っているのではないか。」について

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先ほど、徳力氏の今年の「ワールドマーケティングサミット2018」への誘導記事を読みました。

 

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タイトルは、私も尊敬するネスレジャパンの高岡社長の言葉からとられたようです。且つ、「2016開催」と冒頭にありますので、2016年の発言の内容のとのこと。

 

市場が縮小している日本で売り上げを拡大されているネスレジャパンを率いている高岡社長の言葉ですので、とても傾聴しなければならないと思いつつ、一般化するには少し雑かぁと思ったりします。主語が「日本企業」ですが、トヨタホンダのようなグローバル企業にはあてはまらないと思います。

 

また今やブランドランキングでも一桁台で、GAFAの一角のFacebookの拡大は果たしてマーケティングの力だったのか?というと疑問に思ったりします。

 

ポジショントークの部分が多分にある発言なので、例外を探せばいくらでもありそうなので、そこをつついてもしょうがないので、自分がぼんやりと考えた、

 

現在の日本企業の苦境を作った3つの原因をあげてみたいと思います。

 

1. 日本市場だけを見すぎていた

高度経済成長期からバブル経済まで、一本調子で上昇した日本経済ですが、そこでの成功体験は主に日本市場に向けてであり、そこでの輸出の拡大が、現地へのローカライズというよりは、日本国内向けのものをそのまま出していたことになります。

またそこでの成功体験をした人がそのまま、会社の経営層となり、その人たちが居座ったことが、現在の状況を作り出しているのだと思います。

まさにこの部分が、コトラーや高岡氏が指摘している部分だと思います。

 

2. 人口減少の怖さを舐めていた

日本の人口減少は、長きにわたり指摘されてきましたが、誰も本気で向き合わず、見て見ぬふりをしてここまで来ました。人口は力です。人口が多いということは、それだけ消費を、多様なニーズを生み出しますし、将来に対する明るい見通しもでます。現在の衰退国としての日本は、高齢社会による費用の増大や、若者の人口流出による地方の過疎化、そもそも人口減少による労働力の減少など、明るいニュースはありません。

また、金融資産の9割を保有する老人たちは”何かのあった時のため”と金を貯めこみ使いませんし、”お金の若者離れ”といわれるほど、若者ほどお金をもっていません。そのため経済も回りません。

現在、アメリカでミレニアル世代といわれる層はアメリカ人口のボリュームゾーンで、消費に関しても前向きですが、日本の同じ年代は人口もいないですし、お金ももっていません。

個人的には、日本でミレニアル世代と騒ぐ人たちを見ると、逆にマーケティングを学んでいないのでは?と思ってしまいます。

 

3. 多様性を受け入れてこなかった

そして、これがすべてなような気がしますが、代替わりさせず、既存のものを守ってきたことが大きいと思います。”大きすぎて潰せない(Too Big To Fail)”とは、日本だけでなく、サブプライムローン時のアメリカでもあるので、日本だけのことではないですが、例えば、東芝オリンパスなどの事件では上場廃止に値する事案なのに、上場を維持したりしました。そういう大企業がつぶれて、そのスペースが開けば新規参入のチャンスができ、新興企業の台頭の可能性が生まれるのに、その目をつぶしてきたこと。

また、”同じ釜の飯を食う”に代表される同質化した社員の中での意思決定は、前例踏襲の温床を生んできました。昨今、日本の中でも、プロ経営者を外部から招へいする会社が増えてきており、今まで聖域とされメスが入らなかった部分の膿をばっさり出すことが増えてきてよい流れだと思います。

 

まあ、長々と書いてきましたが、結論とすると、

 

日本企業に元気がない会社があるのは、同じような人が、同じような考えのもと、同じような意思決定を繰り返していることにあるのではないでしょうか?

 

これを繰り返している限り、マーケティングを学んでもダメなんじゃないかなと思います。

 

では。

 


コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則